へいせい義塾館高等学院のブログ

中卒以上ならだれでも入学可能!少しのきっかけで不登校になってしまったり、学校へ行くのが嫌になったり、社会人になってから高卒資格がほしくなったり。。。という生徒募集中★

朝起きれない!は病気かも? 起立性調節障害とは?

朝が弱く、起きたくても起きられない。平熱でいても、体調を崩しやすい。


そんな子どもに対し、悪気がないとは分かっていても、頑張りが足りないのではないか? 学校に行かなかったり、すぐに休んでしまうのは甘えているからでは? と悩まれる親御さんもいるのではないでしょうか。


しかしその不調は単なる精神的な問題ではなく、もしかすると「起立性調節障害」という病気かもしれません。

 

f:id:heisei-mizunami:20181003154419p:plain



起立性調節障害はどういった病気なのか

 

一般的には、動悸やめまいが頻発し、長時間立つことや、朝起きることができない病気であると言われています。これは、心臓から血液の押し出しが弱くなり、身体の下の方に血がたまったり、血液のめぐりが悪くなったりすることが原因で起こります。


ただ、こう言うと、血圧が低いことが症状の根本であるかのように思われがちですが、起立性調節障害は自律神経機能の問題なのです。だから、動悸やめまい以外でも起立性調節障害だと診断される場合もあります。

ソース画像を表示


例えば、腸に分布してる自律神経に影響が出れば胃腸が悪くなったり、女の子であれば生理不順が起きたりしますが、これもめまいなどがなくても条件次第で起立性調節障害と診断されます。

それだけではなく、自律神経はストレスの影響を受けやすいこともあり、心の問題が大きく影響している場合が多くあります。


もちろん、心はあまり関係なく、単に血圧が低かったり、なんらかの感染症の後遺症として起きてくる場合もあります。


このように、起立性調節障害と言っても、原因も症状も十人十色なので、その多様性に合わせた対応が必要となる病気です。

しかし、今はまだ小児科であれば身体の問題として、精神科では心の問題としてしか診断されない場合が多いというのが現状です。

 

f:id:heisei-mizunami:20180925143938p:plain

心の問題を抱えている子の方がこの病気にかかる可能性が高いというのは事実です。

しかし、心が影響していることがまだ浸透していないためか、親御さんの中にも、起立性調節障害が身体だけの問題だと思っている方はまだまだ多いようです。

自分の子どもに心の問題があると認めるのは難しい部分もあるかもしれませんが、治療のためにはしっかり理解して向き合う必要があります。

年齢的には小学生から増えてきて、中学1年生~高校2年生くらいが一番発症しやすいといわれています。

しかし、20歳をむかえるころまでには、ほとんどの方が改善されます。

 

起立性調節障害の検査内容は?

 

基本的には、小児心身学会というところが作った診断ガイドラインに沿って、座ったり立ったりした状態で血圧を測って、そのパターンから4つのタイプに分けて診断しています。

しかし、血圧のパターンに当てはまらなくても、起立性調節障害と診断し、治療している方も多くいます。

他には、大国教授という方が作った診断用のチェックリストを使用し、総合的に診断されているのが現状です。

 具体的な治療方法

 

身体は自律神経の問題なので、自律神経を安定させる薬や、動悸・下痢・腹痛などの表面的な不調への薬を使用して治療します。

心の問題は、環境調整や、本人への心理療法のほか、親御さんと対話をしたり、精神を落ち着かせる漢方薬を処方することで治療します。。

また、睡眠のリズムが乱れていることが圧倒的に多いので、睡眠リズムを整えることも重要です。

睡眠薬を使用したり、睡眠時間がバラバラになってるのをコントロールするために、睡眠日誌をつけて時間の管理を行っていきます。

f:id:heisei-mizunami:20180925123425p:plain

昼夜逆転してる人でも、とりあえず時間を固定して、睡眠時間も8時間~10時間ほどを目標に調整していきます。

 

その他、家庭で取り組むことのできる活動として、自律神経を鍛えるためのチルトトレーニングという壁を背にしてしばらく立っているという方法があります。

意外かもしれませんが、めまいやだるさからできない場合も少なくありません。立つという負荷に、自律神経が適応しようとして鍛えられます。

運動することも大切です。体調が悪いと寝ているだけになり、体調がさらに悪化していきます。それに、やらないのは行動パターンの問題でもあります。大切なのはそのパターンを変えていくことで、ちょっと辛いけどやってみようということの繰り返しが大きな一歩となるのです。

 

 まとめ

 

起立性調節障害は、身体の問題と心の問題、多様な症状が絡んでいるなど複雑な病気です。
本人だけ、薬だけ、環境だけ、と何か1つを対策するだけではなく、親御さんや学校、心理療法なども含めた多様なアプローチで解決していくのが、結局は一番の近道となります。

f:id:heisei-mizunami:20181003154635p:plain

気になる症状があれば、「甘えてるだけ?」と思っても、まずは小児科や心療内科に相談してみましょう!